小林賢太郎について
みなさんは日本人で1人だけ天才を挙げろと言われたら誰と答えますか?
まぁあまりにもざっくりしたお題なのでおそらく人によって答えが全然違う問いだと思いますが、もし僕が聞かれたら小林賢太郎と答えると思います。
誰だよ!って人もいるかと思いますが、片桐仁は知っている人は多いんじゃないでしょうか?
片桐仁はもはや俳優みたいになっていますが、元々この2人がラーメンズというお笑いコンビを組んでいました。
僕がラーメンズにはまり出したのは大学生くらいで、youtubeにライブ動画が結構アップされていたのでよく観ていました。
どんなコンビかは説明するよりも観てもらった方が早いので、ガラパゴスのお気に入りネタを貼っておきます。
どうですかね?普通のお笑いのネタとはだいぶ感じが違いますよね?
これらすべてのネタを作っているのが小林賢太郎です。
本人たちも「爆笑だけが面白いわけじゃない」と言っている通り、腹抱えて笑うところはないけれど、じわじわとした面白みがあって何度も見返したくなります。
あまりテレビでネタをやることはなく、爆笑オンエアバトルに少し出ていたくらいです。なので一般的な知名度は低いかと思います。
ラーメンズの二人は多摩美術大学の同期で卒業と同時の1996年にコンビを結成します。1998年から2009年まで毎年単独ライブを行ってきていましたが、それ以降はコンビでのネタはあまりやらなくなります。
また小林賢太郎はこれだけの才能があるのに最近ではほぼテレビに出ていません。NHKでたまに出てくるくらいです。
民放で珍しく出演した「ボクらの時代」のyoutube貼っておきます。
では現在の小林賢太郎は何をしているかというと、基本的にはずっと舞台をやっています。
まず「ポツネン」という小林賢太郎の一人芝居があります。これは私も大学生の時に実際に舞台も見に行ったことがあります。
海外でも評価されておりヨーロッパ公演とかもしています。
これも私の好きなやつを一つ貼っておきます。
Potsunen『 P+ 』Chapter5「 漫画の奴 」
他にもK.K.Pという小林賢太郎が脚本、演出をする演劇があります。
2007年にやった「TAKEOFF/ライト3兄弟」はかなり評価が高く、演劇雑誌で演劇ランキングと俳優ランキングの両方で1位になっています。
実際ガラパゴスもこの舞台が小林賢太郎の作品の中で一番好きです。
話の内容としては日本一周をしている青年と飛行機マニア(これが小林賢太郎)と大工さんの3人がたまたま出会い、ライト兄弟の幻の図面を手に入れて飛行機を作るという話です。
自分の好きなシーンは舞台の後半で完成した飛行機を飛ばす前に青年が飛行機マニアに「どれくらいの時間飛べるのか?」と聞いたところ飛行機マニアが「ライト兄弟のファーストフライトは12秒だった」と答えます。「12秒!?短くない?」となるのですが、実際12秒を測ってみると「結構長いな!」という結論になります。
この12秒の表現がすごく好きで、小林賢太郎はただ時計を見ているだけなのですが、実際に飛行機で飛んでいるかのようなイメージを観客に与えます。この演出がたまらなくかっこよくいつ観てもゾクッとしてしまいます。
その他にも最近は「カジャラ」というユニットコントみたいなのもやっています。
久しぶりに片桐仁とも共演しています。
カジャラ#1『大人たるもの』より「山小屋における同ポジ多重コント」
また最近の話題としては来年の東京パラリンピックの閉会式の演出も担当することになりました。
ガラパゴス的に小林賢太郎の何がすごいかというと、おそらく日本の中で自分で脚本書いて演出もして出演もしてこの作品のクオリティーが出せるのは小林賢太郎くらいじゃないかと思います。
また自分だけじゃなく他の人の見せ方も非常にうまいです。特に片桐仁の見せ方はやっぱり誰よりもうまいです。
こういったクリエーター、プロデューサー、プレイヤーとして全ての面でものすごい高いレベルにあり、今なお新しい作品を作り続けているのが本当にすごいなと思います。
もうちょっと引いて考えると、小林賢太郎のすごいところって当時芸人全員がテレビにめっちゃ出たがっていて、ネタもテレビに出るためにやっているくらいだったのに、小林賢太郎はテレビでの立ち回りはあまり得意ではなく舞台という自分で作った箱でこそ実力が最大限に出せるとわかっていて、時代の流れに流されずにストイックに舞台だけをやり続けていたことで現在ここまで評価されているのかなと思います。
自分の得意、不得意を見定め、自分の強みを最大限発揮するためにはどうすればいいか考えることがやっぱり大事なんだと再認識しました。
自分としてはやっぱりラーメンズのネタが一番好きなので、是非また2人でやって欲しいなと期待しています。
最近youtubeで小林賢太郎の作品がオフィシャルで観れるようになりました。広告収入は色々な寄付に回されるそうなので、皆さんも寄付のついでに是非小林賢太郎の作品にどっぷり浸かってみてください。
ではまた。